
The Future in the glass
海のテロワールを創る
地球の表層の70% を占める“海” は私たちの暮らしと深く結びついています。しかし、環境問題が見えやすい陸と比べ、海洋は様々な観点から可視化が難しく、対策が後手になっていました。表面からは一見美しく見える海も、その中では水温の上昇や生態系の崩壊が進んでいます。IPCC( 気候変動に関する政府間パネル) は、過去100 年で海面水温はおよそ1.5°C 上昇し※1、サンゴ礁の白化や、魚類の減少が世界中で起こっていると発表、こうし た海洋環境の悪化は、海産物の供給だけでなく、生物多様性や気候調整、二酸化炭素の吸収といった地球全体のバランスに悪影響を及ぼし、漁業や観光など、海に関わる産業も甚大な影響を及ぼしています。
※1 IPCC Special Report on the Ocean and Cryosphere in a Changing Climate
ロケーションは世界自然遺産奄美大島の海
私たちが海底熟成をスタートした奄美大島の海は、2021 年、徳之島、沖縄島北部及び西表島と共に「世界自然遺産」に登録されました。拠点となる南部・瀬戸内町では、いまだ手つかずの原風景が残り、豊かな自然が息づいているものの世界同様の環境危機を迎えています。一方、海底熟成の観点では、当初南の島特有の温暖な気候からくる高めの水温など懸念材料が存在しましたが、調査を重ねるごとに、穏やかな海況や潮流、山から流れ込む水などが好条件となり、結果として水温さえも熟成を促す好要素となりました。
海のテロワールに挑戦
ワインの世界には土壌・気候・地形・風といった自然環境がワインの味わいや個性を左右するという概念としてテロワール(Terroir)という言葉があります。私たちはこの概念を海に広げ、< 海のテロワール> として新たな体験を提案します。" 海" は地球にとって不可欠な存在であり、ワインは人の心を豊かにし、人と人をつなぐ力を持っています。「tlass SEA CELLAR」は、『 the future in a glass』をコンセプトに、海とワインを掛け合わせる ことでワインを愉しむことを未来の海を守る一歩に変えていきます。

What is Ocean Aging?
海底熟成ワインとは?
バルト海の沈船から引き揚げられた約170 年間海中熟成されていたシャンパーニュの逸話をきっかけに、近年、欧米を中心に注目が高まっている海底熟成ワイン。tlass では2019 年より海底熟成ワインの調査をスタートしました。ワインを熟成する場合、温度と湿度を一定にキープする環境で行うことが一般的ですが、海底熟成は自然の水温下に加え、高圧力、無酸素、海の流れにより常に少しずつ動いている環境で行います。海底熟成ワインは味わいがまろやかになる、香りが芳醇になるなど、ワインの風味に独特の変化をもたらます。さらに海中で保管されることでボトルに海中生物が付着し、海だからこそできる特別なビジュアルを創り上げるなど、これまで体験したことのない新しい発見と価値を生み出しています。

沈没船から見つかった 奇跡のシャンパーニュ
2010年、フィンランドのオーランド諸島が浮かぶバルト海の海底から引き揚げられた難破船から、168本のシャンパーニュが発見されました。調査により、推定1830~40年頃の「ヴーヴ・クリコ」や「エドシック・モノポール」、今はなき「ジュグラー」のシャンパーニュブランドのボトルであることが判明。
その後オークションにかけられた「ヴーヴ・クリコ」は1本3万ユーロ(約400万円)で落札されました。









